「反り腰」が原因で腰痛になっているひとの特徴
- 朝起きて、腰が痛い
- 腰が痛くなるのを恐れて、仰向けに寝られない
- 仰向けに寝られないから、肩こりがひどい
- 座骨神経痛と思われる・診断された
- ヘルニア・ヘルニア気味
- 腰痛といっても、腰の下やお尻の上の方の痛みが気になる
これらの症状に思い当たるひとは、「反り腰」が原因で腰痛になっている可能性があります。
「反り腰」が原因で腰痛のひとは、姿勢が悪かったり、足を組む習慣があるひとが多いです。
腰痛といっても、あらゆる種類があリます。肩こりがひどいと思っていたら、腰痛をかばっていたと言うケースもあります。
この記事では、「反り腰」が腰痛の原因となっているひとに、反り腰の原因と治し方をご説明したいと思います。
反り腰を治すストレッチ、反り腰対策としての寝方・立ち方、反り腰が原因で腰痛のひとにオススメの器具も紹介します。
腰痛の原因が反り腰にあるとすれば、「反り腰」を直接的に治すしかありません。
「ストレッチ方法を知りたい」「寝るときに痛いから対策を知りたい」「仰向けに寝られない」「反り腰予防の立ち方を知りたい」
という方は、「反り腰の原因」をスキップしてください。目次をクリックすれば、直接飛ぶことができます。
目次
反り腰とは?その見分け方(画像あり)
詳しく「反り腰の原因」を見ていく前に、あなたが本当に「反り腰」なのか確認する必要があります。
もし「反り腰」ではないのに、「反り腰から起こる腰痛対策」をしても意味がないからです。
姿勢をよくしすぎて、腰痛になるひとがいます。そういう方の腰痛は「反り腰」が原因ではありません。
慢性的な腰痛もちのひとは、何が原因で腰痛になっているのかを発見することから始めましょう。
あなたは反り腰?反り腰の見分け方
さて、自分の腰痛の原因が「反り腰」なのか見ていきましょう。
反り腰かどうか見分ける方法として、壁にかかとと背中をぴったりつけてみてください。

反り腰チェック
腰と壁の隙間(すきま)は、どれくらいありますか。手を握って、入りますか?
スペースが空いていないなら、あなたの腰痛原因は「反り腰」ではありません。他にある腰痛の原因を探しましょう。
握り拳が入ってしまうあなたは、残念ながら完全に「反り腰」です・・・。
その気持ちわかります。自分が圧倒的に「反り腰」だということに気がついてしまった時の衝撃ときたら、ねぇ。
わたしも随分とよくなりました。まだ反っていますが、以前はもっとスペースが空いていました。
でも、これで長年苦しんでいた腰痛の原因がわかったということです。しっかりと治していきましょう。
反り腰の原因は 腸腰筋の筋肉硬化による骨盤前傾
骨盤が前傾すると反り腰になる
反り腰の原因は、骨盤が前傾していることです。
骨盤は、前後にも左右にも動きます。骨盤が、必要以上に前傾している状態こそが反り腰の原因です。
骨盤が前傾すると、ちょうど腰椎の部分(お尻の上、腰の下の方)が緊張状態になります。
「ヘルニア気味」「座骨神経症かもしれないと医師に言われた」という人は、この状態と言えるでしょう。
整体院やマッサージ店でで、お尻の上の方を揉んでもらうと気持ちがいいですよね?
そこをマッサージやストレッチすると、一時的に腰痛が回復します。しかし、反り腰が治らないと根本的な解決にはなりません。

左:正常 右:反り腰
骨盤が前傾するのは腸腰筋と前太ももの筋肉が硬いから
反り腰の原因が、骨盤が前傾していることだとわかりました。では、なぜ骨盤が前傾してしまうのでしょうか。
骨盤が前傾にさえならなければ、反り腰になりません。そして、反り腰にならなければ腰痛にもならない。
骨盤前傾(反り腰)の原因は、股関節や前太ももの筋肉が硬くなってしまっていることです。
不思議に思いますよね。だって、腰(体の後ろ)が痛いのに、その原因は体の前側(股関節や前太もも)にあるだなんて。
しかし、体の仕組みを理解すればわかります。順を追って、説明してきます。
まず、骨盤は、あらゆる筋肉によって支えられていることを理解してください。
前後左右それぞれの筋肉が引っ張りあって、骨盤が正常な状態を維持しているのです。
すると「骨盤前傾」の原因がわかります。骨盤が前傾しているということは、骨盤が前に引っ張られている、ということです。
「骨盤前傾」は、骨盤の前の方の筋肉(前太ももや腸腰筋)が硬くなり、骨盤を引っ張っているから起こる現象なのです。

左 正常 右 反り腰
こちらの画像(右)でわかるように、前太ももの筋肉や腸腰筋が硬くなってしまっていると、骨盤が前傾します。
骨盤が前傾して、反り腰になり、腰痛を引き起こすのです。その仕組みを理解していただけたでしょうか。
腸腰筋と前太ももの筋肉が硬くなってしまう理由
では、なぜ腸腰筋と前太ももの筋肉が硬くなってしまうのでしょうか。
腸腰筋と前太ももの筋肉は、伸ばす機会が少ないのです。ストレッチしないと、筋肉はどうしても硬くなってしまいます。
そもそも、人間の体は前に曲げやすいようにできています。姿勢が悪くなりやすいのも、前に曲げやすいからです。
グッと体を反らすのは疲れますし、エネルギーを使います。日常生活において、体を反らすこともほとんどありません。
自然と、わたしたちの体は前傾したがっているのです。そして、姿勢が悪くなり体の前側の筋肉は硬くなってしまいます。
体を伸ばすこと、反らすことはそれだけで非常に健康的です。血行もよくなりますし、肩こり・腰痛にも効果があります。
体を痛めない程度に、体を反らせる習慣をつけると健康的です。両手を組んで、天に向かってグッと体を反らせましょう。
ストレッチポールで、首の付け根から腰にかけてゴロゴロさせるのもとても効果があります。背骨マッサージです。
フォームローラーは、なるべくリラックスした状態で、背骨のS字カーブに合わせるように使用してください。
わたしは、短くて太くて凹凸のあるストレッチポール(フォームローラー)を愛用しています。
ちなみに、「ヨガポール」という細長いポールはオススメできません。柔らかいし、効果が小さい。
身体を反らすには、背泳ぎもオススメです。泳げない人は、しっかりとストレッチしましょうね。
なぜ反り腰だと腰痛になるのか?
では、なぜ「反り腰」だと腰痛になるのでしょうか?
背骨には、もともとS字のカーブがあると言われています。
S字にカーブしていることで、垂直にかかる重力(負荷)を背骨がクッションのように和らげてくれているのです。
それが、腰が反っているとどうなるでしょうか。
重力(負荷)が、背骨(=クッション)に当たることなく、直接腰に当たってしまうのです。

また、反り腰のひとが「朝起きたときに腰が痛い理由」も同じで、反った腰の部分に体の重みが全てかかってしまっています。
ちょうど、お尻の上の方の出っ張った部分に、負荷がかかり過ぎてしまうのです。
股関節や前太もも太もも周りの筋肉が硬くなって、骨盤が前傾し、反り腰になり、腰痛を引き起こす。
これが、坐骨神経症やヘルニア気味の人たちが抱える腰痛の大きな原因となっています。
では、「反り腰の原因」がわかったところで、反り腰の治し方を見ていきましょう。
反り腰の治し方と改善方法 腰痛はストレッチで治す
早速ですが、反り腰を自分で治していきましょう。
反り腰の原因は、骨盤が前傾していること。骨盤が前傾するのは、腸腰筋・前太ももの筋肉が原因だと説明しました。
反り腰の治し方も同じように、腸腰筋・前太ももの筋肉を柔らかくして、前傾した骨盤を元の状態に戻せばいいのです。
つまり、腸腰筋・前太ももの筋肉をストレッチすると反り腰は改善されます。
整体に行ってパキパキやっても、整骨院に行って湿布を貼っても反り腰は治りません。反り腰は、ストレッチで治るのです。
腰痛・肩こりで大事なことは、自分の体の問題点を理解してメンテナンス(ストレッチ)することです。
自分で体を理解し、適切なストレッチをなるべく毎日すること。そうすれば、ほとんどの場合で慢性腰痛は改善されます。
前太もものストレッチで反り腰を治す
太ももの前側の筋肉が硬くなっていると、反り腰になります。
太もものストレッチに関しては、こちらの動画を参考にしてください。実際にストレッチが始まるのは、1:53〜です。
動画にもありますが、ヒザを外に向けて、体を後ろに倒します。(ちなみに、動画の解説はわたし本人です。)
ヒザをさらに下へグーっと伸ばすと、太ももが柔らかくなり、ツッパリ感がなくなります。
太もものストレッチに関しては、これだけで十分です。ベッドや布団の上でもできるので、毎日ラクにできます。
腸腰筋のストレッチで反り腰を治す
腸腰筋のコリも、反り腰の大きな原因となります。
まず、「腸腰筋」はどこの筋肉かというと、腸骨筋・大腰筋・小腰筋をまとめて「腸腰筋」と呼びます。

緑の部分が「腸腰筋」
主に、脚を上げるときに使われる筋肉で、股関節・太ももの付け根・腰椎についている奥の方の筋肉です。
腸腰筋のストレッチは、ヨガなどでも人気ありますが、かなり辛い体勢のものが多いです。

図にあるように、こちらのストレッチではグーっと腸腰筋が伸びます。でも、このストレッチは体力を使うし大変です。

こちらのストレッチも有名ですが、ヒザが痛くなります。また、この姿勢を取るのも辛いですよね。
もっとラクに毎日できる腸腰筋のストレッチはないのでしょうか。そこで、考え付きました。
先ほどの「太ももストレッチ」で「ヒザの角度」を少し広げればいいのです。
痛くならない程度に背中をさらに倒して、反対側のヒザの角度も広げましょう。

右手で抑えている場所(腸腰筋)を意識する
このように、「太もも」よりも「腸腰筋」を意識して、ヒザを左右にグーっと広げてください。
ヒザ同士の角度が大きくなるほど、腸腰筋に効きます。右手で抑えている場所(腸腰筋)を意識してストレッチしてください。
このストレッチであれば、寝起き・寝る前に毎日ラクにできますね。
ストレッチとは、筋肉が伸ばすこと。「どこの筋肉を伸ばしたいのか」を意識すれば、ストレッチはいくらでも応用可能です。
わたしは、このストレッチを就寝前に必ずするようにしています。おかげさまで、腰痛がずっと楽になりました。
また、腸腰筋のストレッチには、ストレッチポール(フォームローラー)もオススメです。

こんな姿勢で、腸腰筋をグリグリすれば、とってもラクになります。ちょっと痛いですが。
フォームローラーは、腸腰筋(前)にも、大臀筋(後ろ)にも、中臀筋(横)にも使えます。
もちろん、肩にも首にもどこにでも使えます。安いし軽いし、本当に素晴らしい発明品です。
繰り返しますが、ストレッチポールはこういうタイプ(短くて太くて凸凹のあるもの)を選んでください。
凹凸のないヨガポールは、筋膜リリース効果がありません。買うなら、このタイプを購入してください。
中殿筋や腸腰筋など、フォームローラーの使い方を動画でまとめました。(作ったのは、わたし本人です。)
反り腰を予防する 立ち方と姿勢
つま先を開いて反り腰予防
「反り腰」に対して有効な対策は、良質なマットレスに変える・横向きで寝る・ストレッチを重ねる、でした。
しかし、普段から予防するに越したことはありません。そのためにも、立ち方を意識しましょう。
そもそも、人間の股関節は、つま先が開いていないと曲がらないようにできています。
腰(腰椎)は、もともと曲がりません。腰椎ではなく、「股関節」こそが身体を反らせる機能を持つ部位なのです。
股関節が曲がらないと、腰椎に必要以上に負荷がかかってしまうから腰痛になります。
足が開いた状態(=股関節が動く状態)は、身体にとって最も良い姿勢なのです。
普段からつま先を開く習慣をつけましょう。腰痛を治すためです。「態度が悪い」と注意されても、無視してください。

足を広げないと股関節が動かないので腰痛になる
この画像くらい足が開いていないと、股関節が曲がりません。子どもの頃から、気をつけたいですね。
足を平行に「まっすぐ立つ」ことは、実は腰痛の原因になることだったのです。立ち方も「腰痛」の原因なので、意識しましょう。
反り腰は仰向けだと痛い 横向き寝で腰痛改善
腰痛が辛くて、どうしても仰向けに寝ることができない。「反り腰」の人は、特に睡眠時の腰への負担がかかります。
画像のように、腰が反っているほど、腰へと体の重みが集中してしまうのです。腰痛は、寝ている時にも原因があるのです。

上 普通のひと 下 反り腰のひと
反り腰の方には、横向きで寝ることを推奨します。横向きに寝ると、腰ではなく骨盤が体重を支えてくれるので腰痛予防になります。
横向き寝の問題点として、寝起きに肩こりになってしまいます。それは、市販の枕が仰向けで寝るように作られているからです。
横向きで寝るには、枕の高さが足りません。肩と枕の「隙間」が、じわじわと首と肩へと負荷をかけていきます。
横向き寝専用枕 ヨコネ3を使う
そこで、横向き寝専用枕(ヨコネ3)をオススメします。横向きに寝ても、肩こり・腰痛を防ぐことができる枕です。
ヨコネ枕で睡眠時の腰への負担を減らしながら、しっかりと腸腰筋・太もも前のストレッチを継続すれば体も整ってきます。
「横向き寝枕」は、寝起きの腰痛・肩こりを同時に解消できる裏技です。横向きでも仰向けでも快適に使用できます。

材質にも機能にも優れた枕なので、腰痛対策と睡眠の質を向上させるためにも、ヨコネ枕はオススメです。
詳しい解説は、公式ページからどうぞ。わたしの個人的なレビューもあるので、ご参考にしてください。
反り腰 寝るときに痛い マットレスが薄すぎる・柔らかすぎる
反り腰のひとが、一番辛いのが寝るときです。反り腰からの腰痛対策として、良質のマットレスに変えましょう。
腰を使わずに、生きていくことはできません。寝たきりでも、腰には負担がかかっています。そして、疲労は蓄積していきます。
ただ寝るだけでは、体の疲れは取れません。取れなかった疲れは、長い時間をかけて体に残ってきています。
人生の3分の1は、睡眠時間です。毎日を快適に健康に過ごすためにも、マットレスにはしっかりと投資しましょう。
こちらの記事では、高いものから、安いものまで本当に評判のいいマットレスをご紹介しています。
さいごに 反り腰と腰痛改善まとめ
有効な反り腰対策は、以下の通りでした。
- 前太もも・腸腰筋をストレッチする。骨盤前傾を防ぐ
- 良質なマットレスで、腰への負担を下げる
- 仰向けではなく、横向きで寝る
- 足の角度を広げて立つ
です。
普段から意識を怠らず、お金と時間とをしっかりと投資して「腰痛」を治していきましょう。
腰が痛いだけで、人生を大きく損しています。腰痛を意識すると、生活がやけにつまらなくなりますよね。
「反り腰」は腰痛の原因の一つでしかなく、二足歩行の人間は、常に腰痛の脅威と戦っていかなければいけません。
そのために、あらゆる知識を身につけ、現代の技術を最大限に利用していきましょう。腰の痛くない人生を。
腰痛を改善する筋力トレーニングがあれば
しりたい
「反り腰」が原因の腰痛であれば、お尻(大臀筋・中臀筋)と太ももの裏側(ハムストリングス)の筋力トレーニングが有効です。
反り腰は、腸腰筋や大腿四頭筋など、体の前側にある筋肉に骨盤が引っ張られて起きる症状ですが、お尻(大臀筋・中臀筋)と太ももの裏側(ハムストリングス)など、体の後ろ側にある筋肉が弱くなって起きる症状でもあります。
なので、本記事で取り扱ったストレッチと合わせて、お尻(大臀筋・中臀筋)と太ももの裏側(ハムストリングス)の筋力トレーニングも合わせて行ってみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=X3Y25CxM-IU
こちらの動画の1:30〜 トレーニング方法があります。
[…] https://oimokyo.com/sorigoshi より引用 […]