ちきりんのマーケット感覚を身につけよう 要約・まとめ・感想

ちきりん マーケット感覚を身につけよう

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※本ページは一部PRが含まれています。

「マーケット感覚」と聞いて、ピンとくるでしょうか。普段は、使わない言葉ですね。

ちきりんさんは、冒頭に2種類のタイプの人がいると紹介しています。

  1. すばらしい学歴や職歴に加え、難関資格から専門知識まで持ちながら、不安から逃れられない人
  2. ずっと少ないものしか持っていないのに、「なんとかなる」「なんとでもなる」という自信とともに世の中をわたっていける人

すばらしい学歴がなかったとしても「わたしは1. に属している」と思った人は本書が必読です。

これからの時代を生き抜くために、最初に読んでほしい一冊。ちきりんシリーズの中でも、特にオススメです。

マーケット感覚を身につけよう 目次

  1. 市場と価値とマーケット感覚
  2. 市場化する社会
  3. マーケット感覚で変わる世の中の見え方
  4. すべては「価値」から始まる
  5. マーケット感覚を鍛える5つの方法
  6. 変わらなければ替えられる

『マーケット感覚を身につけよう』は「はじめに」と「さいごに」も名文です。最初から最後まで楽しめます。

ときどき、ふと「マーケット感覚の本になんて書いてあったかな・・・」と読み返したくなります。

要約まとめをしますが、手元に置いておくことをオススメします。

マーケット感覚とは?

マーケット感覚とは、「売れるものに気がつく能力」であり「価値を認識する能力」です。

ちきりんさんは、どんな人でも10年も働けばマーケット価値のあるスキルが身につくと言っています。

どんな分野であれ10年も働いたら、「自分には売れるモノなど何もない」なんてことはありえません。

もしそう感じるのだとしたら、その人に足りないのは「価値ある能力」ではなく、「価値ある能力に、気がつく能力」です。

問題は、「自分にどんな能力があるか」ではなく「どんな人がどんなものやサービスを欲しているか」です。

そして、そうした市場が求めていることに「自分ができるスキルは何か」を見つけ出すこと。

会社を辞めることに不安を感じない人や、ごく普通の会社員から一転、異分野での成功を収める人は、何か特殊な能力を持っていたと言うよりは、「売れる価値に気づく能力」を持っているのです。

「自分の価値に気がつくことにおける格差」は、誰もが感じられることではないでしょうか。

わたしの高学歴で優秀な友だちは、文句を言いながらも会社員をやめません。

なんでもできるはずなのに、「自分には才能がないから」と本当に思い込んでいます。

それに対して「カンニングして日本のFラン大学に入学した」と言う中国人留学生の友だちがいます。

彼女は、学校にも行かずに、びっくりするほど適当なレポートを書いても何にも不安ではありませんでした。

それは「マーケット感覚」を持っているからです。日本の職人さんが作った商品を「これは売れる」と、中国に売りまくってます。月に100万円稼ぐときも。

そして「なんでお金が稼ぎたいの?」と聞くと「何が売れるか考えて、実際に売れるとゾクゾクして楽しい」と言っていました。

彼女は、不安だからいやいやお金を稼ぐのではなく、心からビジネスを楽しんでいました。売れるとアドレナリンが止まらないそうです。

「マーケット感覚」は会社員や起業家だけでなく、主婦でも、アーティストでも、大工でも、学生でも、どんな人にも身近にあるもの。

ちきりんさんは「お金稼ぎ」に回収されないビジネスの喜びを勧めています。まずは、副業からでもいかがでしょうか。

マーケット感覚を身につけよう 要約・まとめ

マーケット(市場)とは?

マーケット(市場)とは、

  • 不特定多数の買い手(需要者)と不特定多数の売り手(供給者)が、
  • お互いのニーズを満たしてくれる相手とマッチングされ、
  • 価値を交換する場所

のことです。

また「不特定多数」というのは、買い手にも売り手にも選択肢があるということ。

「あれが欲しいんだけど、見つからない」「あれとこれを交換して欲しい」そうした要求がマーケット(市場)という大きい枠の中で交換されます。

また、マーケット(市場)とは商品の話だけではありません。

結婚相手を探すのも、子どもの受験のために塾を選ぶのも、近所の歯医者にいくのも、すべて不特定多数の選択肢があるマーケット(市場)です。

マーケット感覚は学べるスキル

「マーケット感覚」を英語にすると(sense of marketing)ですが、やはり生まれ持ったセンスが必要でしょうか?

そんなことはなく、誰もが「マーケット感覚」を鍛えることができます。

何かのセンスに長けている人は、単純にそのことに対して、考えている時間が人より多かっただけ。

「マーケット感覚」も、日常の些細なことから身につけていく肌感覚のようなセンスです。

それは、学校で学ぶ「マーケティング理論」と言うようなものではありません。

「マーケット感覚」は、トップデザイナーのような卓越したファッションセンスではなく、

今の時代、どんな人にどんなもの・ことが必要とされているかに気がつけるかどうかです。

すぐにパッと思いつかないのであれば、少しずつアイディアを世に出して行く方法を取ればいい。

ブログを書いて「何が読まれているか」感じることや、メルカリに出品して「何の需要があるのか」を理解する など、簡単なことから始められます。

また、出会い系アプリを利用して、どんな人から返信がきやすいかを理解するのでもいいでしょう。実践してついてくる感覚です。

非伝統的な価値の出現

新たに市場で取引されるようになったものとして、「感動市場」が取り上げられています。

必死で肉体の極限まで頑張り続けるアスリートの姿や、難病と闘う少女の姿などは人々の感動を呼びます。

その感動に価値があると思う人が多ければ、それは立派な市場になります。24時間テレビは、その典型ですね。

どんなものでさえ、「それを価値と感じる人」がいれば、新たな市場が生まれるのです。

一人暮らしの老人と電話をするサービス、身近な人には話せないことを聞いてもらうサービス、上司が怖くて代わりに退職を代行するサービス。

そこに「価値がある」と思う人が一定数いれば、立派なマーケット(市場)が成立します。

プライシング能力を身につける

プライシング能力とは、まだ市場で取り引きされていない、値札も付いていない「潜在的な価値」に気がつくための自分独自の価値基準です。

プライシング能力を獲得するのに1番簡単な方法は、すでに値札がついているものに対して、自分の価値基準でプライシング(値札をつける)すること。

というのは、日本だと「値段」は買い手の問題であり、売り手の問題と認識されていないからです。

なにか、もの・サービスを見たときに「わたしならこの値段で買う」と価値基準を自分の中に持っておきましょう。

「安ければいい」のではなく、大事なのは「わたしにとってはこの価格が適正価格」だと判断することです。

すると、

  1. 自分にとって、この商品(サービス)の価値はいくらか?
  2. 他の誰かにとって、この商品(サービス)の価値はいくらか?
  3. そのまた別の誰かにとって、この商品(サービス)の価値はいくらか?
  4. この商品(サービス)をもっとも高く評価する人は、どのような人か?
  5. この商品(サービス)を誰に向けて売れば、価格は一番高くできるのか?

という順序を経て、適切なマーケティングができます。

インセンティブシステムを理解する

インセンティブシステムとは、人が何か特定の言動をとったとき、その背景にある要因のことです。

その要因が、言動にどう影響しているかを理解することが、インセンティブシステムを理解すること。

働く動機を「お金のため」と片付けてしまうことは、ものごとを簡略化しすぎです。

人間の言動に関する動機はもっと複雑で、「この人は口ではこう言っているけど、他にどんな理由が考えられるのだろうか」と、奥深い洞察が必要になります。

「人間が動く理由や仕組み」=インセンティブシステムを少しでも意識すれば、マーケット感覚も身についていくでしょう。

自分の欲望に素直になろう

ちきりんさんは、インセンティブシステムを理解するには、自分の欲望と素直に向き合うことが大切だと言っています。

「こういうことしたい。でも時間がないからできない」「あれ欲しい。でも、どうせ手に入らないから我慢する」

そうした失敗をおそれる防御システムがはたらくと、自分の素直な欲望が隠れてしまいます。

そして、自分の欲しいものがわからなくなってしまうと、他人が欲しいものにも気がつかなくなる。

自分の心をごまかしているのに、他者の心を正確に読むなんて、不可能ですよね。

ということで、素直に生きましょう。素直であることは、ビジネス感覚にもつながるようです。

『マーケット感覚を身につけよう』には、まだまだ書き足りないほど情報が溢れています。

本当に「生き方」を変えてしまうような本なので、ぜひ手にとって一読することをオススメします。

マーケット感覚を身につけようの感想 他者への共感力と想像力

「マーケット感覚」という言葉は今まで普遍的ではありませんでした。ありそうでなかった、ちきりん造語。

本書を手にしたとき、「ちょうどマーケット感覚を身につけたかった!」と興奮したのを覚えています。

それは、わたしの意識の中でモヤモヤしていた、世の中に対して何かが足りていない感覚。まさに不安の根源でしょうか。

その正体が何かわかっていませんでしたが「マーケット感覚」と聞いたことのない言葉にぴったり当てられました。

ちきりんさんが、多くの人に足りていないと感じていたものが、わたしにも当てはまったと言うことです。

「きみが探していたものは、これだよね。『マーケット感覚』を身につけたかったんでしょ?」

と、言われたような感じ。あっ、はい。その通りです。これは、ちきりんの『マーケット感覚』が正しかった証拠ですよね。

他者の気持ちに入り込む共感力と想像力

注意したいのは「マーケット感覚」は、他者に迎合することではないこと。

「ああいうものが欲しい」「はい、どうぞ」「うーん、ちょっと違うな。ここ替えてみてよ」「はい、どうぞ」「うーん、なんだかなあ」「これは、どうですか」「微妙だなあ」

と細かいニーズに応えていると、終わりがありません。

「求めている人に合わせて、潜在的なニーズを提供できること」が、深い意味でのマーケット感覚といえるのではないでしょうか。

スティーブ・ジョブズがiphoneを市場に提示したときも、誰かが「iphoneみたいなの欲しいから作ってくれよ」と言ったわけではありません。

「きみたちは、これが欲しかったんだろ?」と、

そのときの人々の生活やテクノロジーの進歩をふまえて、潜在的なニーズを浮かび上がらせた。

それこそが「マーケット感覚」だと思いました。潜在的に求められていた市場価値を想像すること。

また、アフィリエイトで月何百万円も稼ぐ人の極意は「別の人格」になりきることだそうです。

「その人は、どんな人生だったのか」「どんな悩みを解決したいのか」と想像を巡らせること

男性でも、美容関係の記事を書くときは、女性になりきる。他者への共感力と想像力がものをいいますね。

補足
アフィリエイトとは、作成したウェブページから商品を売り、仲介役として報酬を得ること。例えば「クレジットカード比較」みたいなの

また、旧カリスマナンパ師で今はカウンセラーとして活躍している高石宏輔さん。

ストリートナンパするときの極意は、街に歩いている女性を見ながら「どういう気持ちで街に出てきたのかな」と、何を求めているか想像してみるそう。

すると、見知らぬ他者のはずが近い人に感じられ、声かけに応じる回数が増えるらしいです。

ちきりんさんが言う「マーケット感覚」も、アフィリエイターが言う「別の人格」になりきることも、カリスマナンパ師が道で女性に声をかけることも、

すべてが他者への共感力であり、想像力なのではないか、と感じました。

高石さんの本は、こちらがオススメです。

「ビジネス」って聞くと、「うっ、苦手」と思う人も多いでしょう。

わたしも、稼ぐことにそこまで興味がありませんし、ビジネスで大成することが人生の目的とはならない。

でも、誰かが必要としていることを自分で考えて、その対価にお金がもらえるなんて素晴らしいですよね。

仕事って、ひとつの社会のつながり方だと思います。斜に構えずに、楽しめそうなことから初めてみればいい。

とりあえず『マーケット感覚を身につけよう』を読んでみてください。「ハッ」とすること間違いないです。

何から初めていいかわからないというひとは、メルカリが手っ取り早くてオススメです。

メルカリは、断捨離にもビジネスの勉強にもなります。お小遣い稼ぎに挑戦してみましょう!

これからの時代「マーケット感覚」も大切ですが、「テクノロジー」を使いこなすことも大事だと思います。

自分で仕事を作ることができるか、テクノロジーを使えるかは、大きな格差を生むはずです。

四隅大輔さんと本田直之さんが「モバイルボヘミアン」と言う本を出しています。こちらも参考までに。

P.S. ちきりんさんが「英語は大事な能力だけど、そこまで大事ではない」と言っていました。わたしも、そう思います。「英語圏」の持つ圧倒的だったヘゲモニーも弱まり、先進各国が台頭してきたこともそうですが、英語を話せること以上に、仕事を生み出せる方が重要な気がする。英語の勉強はほどほどに、マーケット感覚と体力を鍛えましょう。

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