青雲丸の呪いと船員のいじめ 船乗りの仕事はパワハラでキツイよ

青雲丸での記念撮影

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2017年7月、練習船「青雲丸」で起きた、海中転落、失踪、自殺未遂などの事件。とても悲しく思います。

あの衝撃的な事件を聞いて「やっぱりな」と思いました。そういう学生がいてもおかしくない。心当たりがありました。

わたしは以前、船員を目指し「青雲丸」で実習していたことがあります。

また、卒業できませんでしたが、生徒たちが所属していた「海技大学校」の先輩です。

また、「いじめ」「パワハラ」ということばが世間をにぎわせましたが、それは事件の実態や本質とは異なります。

青雲丸」で実習を受け、かつて船乗りを目指した身として、伝えることがあると思いました。

ひろゆきの本でも読んで、人生を考え直しましょう。Kindle本は、船内でも読めます。

練習船「青雲丸」とは?

練習船「青雲丸」とは 独立行政法人海技教育機構が保有する航海練習船です。

航海練習船とは、外洋での航海術を習得するために建造もしくは改装された船のこと。

独立行政法人海技教育機構が保有する航海練習船といえば、帆船の「日本丸」や「海王丸」などがあります。

通常では、「船員」になるために1年ほどの実習が必要になります。

日本で船乗りになりたいと思うには、航海練習船での実施訓練は、避けては通れません。

機関士や航海士という「船乗りの卵」が、全国から集まってきては練習船に乗ります。(参照: wiki青雲丸)

青雲丸の呪いはない 海技教育機構のいじめ?

2017年7月、練習船「青雲丸」で起きた、海中転落、失踪、自殺未遂などの事件について。

実習生の中では「青雲丸の呪い」だなんてくだらない都市伝説も流れているらしい。

実習したことがあるので、率直に「青雲丸」での環境を話したいと思います。

青雲丸での実習環境 教官はやさしい

実習生として、実際に乗船したことがありますが、「青雲丸」の環境は決して悪くありません。とてもいいです。

運動スペースも充実しているし、ご飯もおいしい。規律は厳しいですが、苦しいほどではない。

極度に船酔いに弱く、すぐにでも下船したかったわたしでも「環境も教官もよかった」と思えるくらい。

教官は、やさしい人ばかりでした。いかにも日本っぽい無駄な形式は多いですが、そこそこ楽しかったです。

思いやりがある教官たちと、とても仲良くなれたことを覚えています。

もちろん、多少はクソやろういますよ。クソやろうは、どこにもいますよね。

青雲丸のご飯

青雲丸のご飯

「いじめ」や「パワハラ」はあるか?海技教育機構

教官はやさしいです。愛情深い人もたくさんいたので「パワハラ」なんて、はっきり言って考えられません。

また、船内は狭いので「いじめ」があったら、すぐにわかると思います。どんな情報も筒抜けです。

でも、たしかに船内の人間関係キツイ

特に、4〜6人で同じ部屋に泊まるので、もし嫌いな人と同じ部屋に入れば3ヶ月間は我慢することになる。

わたしも、おそらく「世界一嫌いなヤツ」と同じ部屋になりました。嫌いな人との相部屋は、本当に苦しかったです。

海技教育機構の実習生の中ででいじめがあったと、いう報道もありますがたった3ヶ月だけです。

どんなに嫌なヤツと一緒でも、3ヶ月が過ぎればずっと一緒にいることはない。

「船乗りは、嫌なヤツと一緒でも数ヶ月経てば別れられるから、人間関係に苦労しない」という人もいます。

そして、学生が海に飛び込んだのは3ヶ月我慢できないからでしょうか。

そうではなく、もっと長い目で自分の将来に絶望していたのでしょう。

青雲丸の中で、疲れて寝る学生

青雲丸の中で、疲れて寝る学生

「青雲丸やばい」ではなく「選択肢がない実習生がやばい」

「青少年が失踪した、自殺未遂した」と、マスコミは騒ぎ立てますが、事件の本質を理解していない。

ニュースにも多く取り上げられていましたが、海に飛び込んだ学生たちの証言に注目してください。

  • 7月13日、19歳の生徒Aが停泊中の青雲丸から海に飛び込んだ。陸にたどり着いたAは助かったが、教員に「船に乗るのが嫌になった。船員の仕事が不安になった」と話し、自殺を図ったことを明かした。
  • 7月21日、20歳の生徒Bは、実習継続の悩みを教官に打ち明けて下船、帰省した。7月24日、Bと保護者から船へ戻る旨の連絡があったが、Bは7月28日名古屋市で自殺した。
  • 7月30日、21歳の生徒Cは、「船の道に進みたくない。失踪する」と保護者らにメールし、上陸中の自由時間に失踪、行方不明となった。

(参照: wiki青雲丸)

船に乗るのが嫌になった。船員の仕事が不安になった」「船の道に進みたくない。失踪する

と、学生たちは素直に声を出しています。ここが問題の本質です。

今回の事件は、青雲丸の環境の問題というより「進路に対する選択肢がない学生」が問題なのです。

わたしも、実習中に様々な学生と話をしました。地方からきている実習生も多かった。

そして、多くの学生が口にするのは「船員になるしかない」「船乗り以外の選択肢はありえない」という言葉。

船員とは、特殊な職業です。人によって、向き不向きが極端に別れる職業。向いていない人には、とことん無理な仕事。

神戸大学や、東京海洋大学といった大学生たちは、実習を終えたあとに「船員になるかどうか」を決めることができます。

思ったより船酔いに弱かったり、怖くて運転できない、という不向きな学生たちは普通の企業に就職する選択肢がある。

でも、海技大学校や専門学校の学生は、他の選択肢をあまりにも知らない。「船員になるしかない」と本気で思い込んでいる。

そして「向いていない」と感じた学生たちが将来に絶望して海に飛び込んだ。失踪、海中転落、自殺未遂、馬鹿げている。

船員はいじめが起こりやすい環境にある

船員は、いじめが起こりやすい環境にいつもあります。

同じひとたちと毎日顔を合わせて、毎日同じご飯を食べる船員生活。

船員は、家族のような生活をしているのに、実際は上司と部下の関係でしかない。

上司は、自分の立場を利用しやすいので意識していなくても「いじめ」やすくなってしまいます。

ひとには相性があるので「好き・嫌い」という感情があるのは当たり前です。

閉鎖空間の中で客観的に監視するひとがいない。「いじめ」があっても止めるひとがいない。

閉鎖空間で治外法権な環境、船員の中でいじめが起こりやすいのは必然なのです。船員が悪いわけではない。

わたしのようにメンタルの弱いあなたには、船員はオススメできません。

自分に向いている仕事が必ずあります。 海に飛び込む前に、一刻も早く「船員」の道を諦めた方がいい。

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船の世界しか知らずに、人生に絶望してしまうのは早すぎる。

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「船員」という将来に希望をもてないあなたへ

なぜ、この時代にいろいろな生き方を知らないのか。船員に向いていなかったら、他の職業があると思えなかったのか。

それは、家庭環境や学校教育を含めて、いろいろな生き方があるということを若い人たちに理解させられていないから。

今回の事件は、学生たちの迷いや絶望が容易に想像できただけに、非常に悲しく思います。とても、日本的な問題です。

そして、現在船員を目指していてるけど、希望をもてないあなた。その気持ちは、おそらく正しい。

「向いていない」「将来が不安」という気持ちがあるなら、自分感情を信じて、手遅れになる前にさっさとやめてください。

住み込みのバイトでも、なんだって生きていく道はある。きみには、いくらでも選択肢は残されている。

親だって、教官だって、結局は自分の経験からしか話ができない。きみは、きみ。あいつは、あいつ。自分の人生に責任が取れるのは自分だけ。

ひろゆきの本でも読んで、人生を考え直しましょう。Kindle本は、船内でも読めます。

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