テクノロジーを無視する生き方に限界を感じた
本田直之さんと 四角大輔さんによる『モバイルボヘミアン』をおもしろく読みました。
著者の二人は、自然が大好き。ハワイのサーフィン三昧の本田さんと、ニュージーランドで釣り三昧の四角さん。
「自然」と「テクノロジー」と聞くと、印象として真逆なイメージがありますよね。
しかし、『モバイルボヘミアン』では、急速に発展した「テクノロジー」を使いこなして豊かな人生を送ろうと言っています。
わたしは大学生のころ、ふんどしを巻いて川を泳ぐような「自然原理主義者」な先生に傾倒していました。
その影響もあって、人類学や民俗学への興味をもちましたが「携帯はガラケー」と私生活まで影響されてしまいました。
でも、そんな生き方にすぐ限界がた。自分が求めていたのは、世界中を舞台に活動する生き方だったから。
今まであえて無視してきた「テクノロジー」を見直そうという時に、本書に出会えたことに感謝しています。
オーガニックでヒッピーな人たちも、「テクノロジー」を使って自然を志向してもいいのでは?
モバイルボヘミアンとはなにか?
ノマドの本来の意味とは
一時期話題となった「ノマドワーカー」という言葉。
著者の本田直之さんと 四角大輔さんは「ノマドの先駆者」と呼ばれていたそうです。
「自由に旅し、国境を越え、自由に生き、自由に仕事をする」というライフスタイルを草原の遊牧民になぞらえたものだった。
しかし、今「ノマドワーカーと」聞いて、世界を旅しながら働くひとを想像できますか?
単に、スーツではなくジーパンを履き、職場ではなくカフェで仕事をするちょっと自由なひとたち。
そんな中、著者の2人はノマドというフェーズを終えて、次のフェーズに移行している。それが、モバイルボヘミアンです。
モバイルボヘミアンが意味する生き方とは
若いころに、本田さんは「ハワイのビーチで暮らしたい」と、四角さんは「ニュージーランドの湖で暮らしたいという」夢があった。
そこで2人は、15年ほどの下積み期間を経て、日本とハワイやニュージーランドを行き来するデュアルライフを確立しました。
しかし、テクノロジーが発展している今では、そんなに長く時間はかかりません。
高度なモバイルリテラシー(テクノロジー)をうまく身につけて、自分を移動させる力(モビリティ)を最大限まで引き上げる。
そうすれば、モバイルリテラシーを身につけたボヘミアン(自由奔放な生き方をしているひと)「モバイルボヘミアン」の誕生です。
さらに四角さんは、そこに
「古い慣習にと囚われすぎず、自由な発想ができ、クリエイティブな思考を持つ人」 「世の中に流されずに自分の心や信念に従って生きている人 」
という解釈を加えています。
時間を自分の意思でコントロールし、人生の全てを「自分の時間」と捉え、自分自身をコンテンツとして表現活動する「アーティスト」のように働ける人が、1人でも多く増えることを、ぼくは強く願っている。
「誰もが自由になり、自分の人生を歩めるようになってほしい」という四角さんの気持ちを感じますね。
テクノロジーが発展した今では「モバイルボヘミアン」な生き方は誰にもできるものです。
20代は「クリエイティブ」と「テクノロジー」を学べ
アメリカでMBAを取得した本田さんですが、「今自分が20代だったらアメリカでなはくヨーロッパに行く」と言っています。
それは、大きな企業が作る大量生産・大量消費の社会ではなく 個人のライフスタイルがベースとなっている社会が見直されていくからです。
そして、個人としての「クリエイティブ」がより評価されていく時代に変わっていくからこそ若いうちに多様な文化に触れた方がいい。
また、「テクノロジー」を使いこなせるかどうか ということが今後の世の中を生きる上での大きな格差となると言っています。
生まれ持った才能や家柄、学歴といったものよりも、モバイルテクノロジーを使いこなす力(=モバイルリテラシー)の有無が、大きな格差を生み出す社会。
これは実際に現在でも起こっている現象です。
ちきりんの『ゆるく考えよう』では日本のマネタイズ下手くそ問題が指摘されていましたが、
マネタイズ(収益化)できるかどうかは、テクノロジーを使いこなせるかにも大きく依存している。
わたしも音楽の先生は、50近くになっても貧乏学生のような生き方をしています。
それに対して、ギターの先生はテクノロジーに対応したせいか、アメリカからライブのオファーもきています。
この両者の違いは、実力ではなく、圧倒的なモバイルリテラシーの差。
表現活動とインターネットは、もう切り離せなくなっているようです。
ブログやSNSからの発信で自分メディアの確立
今の時代は、グーグル検索やSNSでどんな情報でも入ってくる時代です。
だからこそ、マニアックであればあるほど、ブランドとコンテンツの価値が高まる時代、になってきたと本書にあります。
そこで、マニアックメディアを自分で持つことが推奨されています。
メディアを持つと言っても難しいことではなく、ツイッターやインスタグラム、簡単なブログを1つ持っているだけでも十分です。
これは、ケミストリーや絢香、スーパーフライのプロデュース業を担当した四角さんがいうから説得力があります。
誰もが知っているようなビッグアーティストの、ほとんどの初出演は、ある音楽ジャンルに特化した深夜のラジオ番組や、音楽専門誌といったマニアックメディアなのだ
- 専門雑誌がなければ、ウェブ上で自分のサイトを作ってしまえばいい。
- テレビに出れなくても、ユーチューブで発信すればいい。
自分が売りたいことに対して、自分メディア(ネット上のプラットフォーム)をもつことから全てが始まる。
わたしもブログを始めたのは、こうした理由からでした。
旅をしながら、記事を書いて旅の資金に当てる。同時に、自分を発信してブランドを確立していく。
やりたいことがあるなら、そのことについて発信していけばいつか収益になるかもしれない。
「好きなことを飯にする」には、SNSやブログでの発信は不可欠なような気がします。
世界中でサーフィンがしたい。世界中で音楽のセッションがしたい。世界中で恋愛してジキジキしたい。
「そのために『Amway』のネズミ講で儲けまくるしかない!』と考えるのは悲しいですよね。
まだまだ試行錯誤中ですが、希望を胸に自分のやり方で活動しつづけて行きましょう。
世界中を駆け回るような人生を送りたい人には、『モバイルボヘミアン』オススメです。
それにしても、「モバイルボヘミアン」ってワードちょっとダサいよね・・・流行るかしら。
「ノマド」みたいに短く決めて欲しいです。いいやすさって、大事ですね。
コメントを残す