グルーヴ(groove)とは、なんでしょうか。「グルーヴ」は、いろんな意味で使われていますね。
時々、ウザいくらいに「グルーヴ」の定義にこだわる人もいます・・・。
こだわりが強いひとほど、自分が何を言っているかわかっていないことが多いです。
EXILEのボーカルATSHISHIさんは「グルーヴとはフィーリングのループ」だと言いました。
これは「歌い手」としての感覚でしょうが、言葉として明確ではありませんね。赤点です。
おそらく歌手としての「ノリ」の出し方を言っているでしょう。それこそ「フィーリング的には」わかりますが。
曖昧であやふやで、わたしたちをを混乱と羞恥に貶める「グルーヴ」という言葉の定義。
この記事では、「グルーヴ」が一般的にどのように使われているのか、どのような言葉と混同されているのかを、名曲を交えてご紹介します。
実際の曲を交えて紹介すれば、「グルーヴ」のことも少しはわかるかもしれません。
「グルーヴって、なんだろう」そんな疑問に、少しでもお役に立てれば幸いです。
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グルーヴ感の意味とは?グルーヴの使い方を4つに分類
「グルーヴ」とは、だいたい大きく分けて4つの意味で使用されています。
- 「リズム感」との混同
- 素晴らしい演奏に対する形容
- 「ノリ」全般に対する総称
- 「横ノリ」に限定した意味
です。
実際に、「グルーヴ」をwikipediaではこう説明しています。
グルーヴ(groove)とは音楽用語のひとつ。形容詞はグルーヴィー(groovy)。ある種の高揚感を指す言葉であるが、具体的な定義は決まっていない。語源はレコード盤の針溝を指す言葉で、波、うねりの感じからジャズ、レゲエ、ソウルなどブラックミュージックの音楽・演奏を表現する言葉に転じた言葉である。現在は、素晴らしい演奏を表す言葉の1つとして、ポピュラー音楽全般で用いられる。
さすが非常に優れた説明ですね。
>>>ある種の高揚感を指す言葉であるが、具体的な定義は決まっていない。
これは③番の「ノリ全般」を意味する定義です。
>>>ジャズ、レゲエ、ソウルなどブラックミュージックの音楽・演奏を表現する言葉に転じた言葉である。
これは④番の「横ノリ」のことを意味してます。
>>>現在は、素晴らしい演奏を表す言葉の1つとして、ポピュラー音楽全般で用いられる。
これは、②番の「素晴らしい演奏に対する形容」です。
このようにウィキの説明でも、文章ごとにグルーヴが使われる用途を分けることができるのです。
では、順を追って、「グルーヴ」の意味・使われ方を説明していきます。
①「グルーヴ」と「リズム感」の混同
まず、ウィキペディアに記載されていなかった①番「リズム感」との混同についてです。
これは「グルーヴ」のことを「リズム感」だと勘違いしているケースです。
リズムをがズレているひとに対して「あいつグルーヴないなぁ」と言うこと。
ここでは「リズム感がない」と言いたいのに「グルーヴがない」と間違えて言ってしまっています。
「リズムが取れていること」と「グルーヴがある演奏をすること」は全然違います。
そもそも「リズム感がいい」とは、譜面通りに音が取れていることです。
すると、機械的でつまらない演奏でも、リズムが取れていれば「グルーヴ」があると言えてしまう。それは、違いますよね。
「リズム」は「グルーヴ」の前提条件です。リズムが取れていない人には、「グルーヴ」が出せません。
また「グルーヴ」とは、あえてリズムをほんのちょっとズラすことによって生まれるものでもあります。
こういう風に「リズム感」と「グルーヴ」を間違えることは、とても恥ずかしいことです。
何もわからないくせにかっこつけていることがバレるので、即刻やめましょう。
②グルーヴ=素晴らしい演奏に対する形容
③番目に話しますが、「グルーヴ」はもともと「ノリ」の意味として使われてきました。
しかし、ジャズやクラシックでも演奏がよければ「グルーヴがある」と言われることもあります。
「ベートーヴェンの第9番めっちゃグルーヴ効いてるなあ」みたいな。適当だけど、一応伝わりますね。
例えば、ジャズのビパップは、体よりも耳で聴く音楽です。立って踊るためではなく、座ってお酒のつまみになる音楽。
素晴らしい演奏ですが、チャーリー・パーカーの曲を聴いて「ダンスしたい」とは、思いませんよね。
そういう意味で「ノリ」ではなく、単に「すごい演奏」に対して「グルーヴがある」と使われているケースです。
「いやあ、パーカーの演奏はいつ聴いてもグルーヴィーだなぁ・・・」と、言っても意味が通じますよね。
他にも、電子音楽があります。電子音楽とは、もともと「グルーヴのない音楽」の追求でした。
クラフトワークやYMOは「グルーヴ=ノリ」に対するアンチテーゼとしての楽曲を作り、一世を風靡したのです。
テクノミュージックの代表クラフトワークの「Autobahn」を聴いてみてください。
聴いていて心地がいいですよね。でも、身体が大きく揺れ動くような「ノリ」は感じられません。
「クラフトワークのこのダルいグルーヴ感がたまらない」と言っても、一応通じますね。
「グルーヴのない音楽」として世に出された音楽なのに「グルーヴがある曲」と言えてしまう現代。
「グルーヴ」は抽象的な言葉なだけに、どんどん広く解釈されていくようになっています。
③グルーヴ=「ノリ」全般に対する総称 ノリを体感しよう
「ノリ」全般を、グルーヴと形容されるケースもあります。一般的にはこちらが多いです。
「ノリのある音楽」とは、ダンスミュージックを含めて、体が飛び跳ねるような曲です。
先ほど出たジャズ(ビパップ)やクラシックではなく、ロックやパンク、レゲエなどライブで盛り上がる音楽。
「ノリ」は「縦ノリ」と「横ノリ」に分けられますが、ここでは「ノリ」があれば、なんでも「グルーヴ」とするケースです。
ロックンロールで激しく飛び跳ねても、ソウルでゆったりと揺れていても「この曲のグルーヴ最高」と、ざっくり言うこと。
「そんなこと言われてもグルーヴなんてわからない」「ノリとか言われても、ピンとこない」
そんな方には、「ノリ」を体感してもらうしかありません。
Elvis Presleyの「Blue Suede Shoes」です。エルビス独特の「グルーヴ」を感じ取ってください。
聴いていると、体が弾んできませんか?エルビスの全身から現れる「グルーヴ=ノリ」です。
「グルーヴ」とは、全身がウネって出てくるものです。エルビスも歌っているのに、すごい動いてますよね。
まさに、グルーヴ製造機「エルビス・プレスリー」です。替えの見つからない素晴らしい歌い手です。
④グルーヴ=「横ノリ」に限定した使われ方
最後に、「横ノリ」だけを「グルーヴ」とするケースです。
ミュージシャンやダンサーで本格的に打ち込んでいる人ほど「横ノリこそグルーヴの意味」とする人が多いです。
例えば「パンクやロックはグルーヴがない」という人は、「グルーヴ」を「横ノリ」と定義している発言です。
ブラックミュージックの中にある独特な「横ノリ」こそ、「グルーヴ」だとしています。
横ノリを科学した名著「黒人リズム感の秘密」でも、「グルーヴ」を横ノリとしています。
「横ノリ=グルーヴ」とする人は、結構ガチなひとのはずです。怖いと思ったら、距離をおきましょう。
グルーヴを感じるには身体で音楽を聴こう
③④で紹介した「グルーヴ」や「ノリ」は、とにかく身体で音楽を聴く習慣がないと、一生わかりません。
グルーヴを出すには、まずグルーヴを感じることが大切です。グルーヴは、感じられないことには何も始まりません。
そのためには、たくさんの音楽を聴くしかないのです。
先ほどのエルビスもそうですが、グルーヴの出せる人は演奏中に身体が波打っています。
全身から発せられる大きな波が、グワングワンと演奏にグルーヴを生み出すのです。
身体と音はつながっています。「グルーヴ」を理解するには、音楽を身体で聴く意識が大事です。
「日本人はノリが悪い」「グルーヴが出せない」と言われるのは、演奏中に身体が止まっているからです。
体内のグルーヴを感じながら演奏すれば、自然と身体がウネってきて、音にもグルーヴが乗ってくるはずです。
グルーヴまとめに、Earth, Wind & Fire の「Let’s Groove Tonight(今夜グルーヴしよう)」を聴きましょう。
身体が自然に動き出してませんか?身体が跳ねるような感じが、この曲の持つグルーヴです。
音楽を、リズムを、グルーヴを全身で楽しみましょう。
「グルーヴ」について、少しでも理解が深まったでしょうか。
「グルーヴ」は何かと考えることよりも、「身体で音楽を聴く」と意識することが大切に思えます。
音楽を聴く楽しさが、2倍にも3倍にも膨らみます。また、演奏にもダンスにもノリが生まれます。
音楽的に成長するには、まずは音楽をたくさん聴くしかありません。
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